2016-08-28から1日間の記事一覧

『訓読から見なおす東アジア』小島 毅 監修, 中村 春作 編 (東大出版会14/7)を読む

<東アジア海域に漕ぎだす>シリーズ5 <訓読>という中国語の日本語訳を取り上げ、両国の文化的交流のあり方を歴史的に論ずる。 東アジアにおいて歴史的には、圧倒的文化的影響を近隣諸国に与えてきた中国文明の<文字言語>の履歴が語られる。少年期に<論 語>を…

『スターリン秘史 1』不破哲三 (新日本出版14/11) を読む

20世紀の怪物スターリンの事跡を執拗に追跡して、その罪障を暴く。ソ連が世界の社会主義運動の<祖 国>だとして、大きな影響を与えていたことは間違いない。しかしその内実はかくの如きものだったとは。膨大な社会主義者たちへの粛清謀殺記録は(当 時の日本の…

<マルクス主義と戦後日本史学>戸邉秀明(岩波講座日本歴史 第22巻16/2)を読む

戦後の歴史学論争には50年代ごろ、一般読者として触れた。その頃読んだ『明治維新史研究講座/全6巻』が大 きな刺激となり、その<明治維新>を現代から歴史的にどう評価するのかに関心を持った。更にそれは戦後社会の革命は如何にあるべきかへと発展 したが、…

『日本政治思想史』渡辺浩 (東大出版会10/2)を読む

サブタイトルは<17世紀から19世紀>。ではこの時代はと言えば、17世紀初頭(慶長6年)は 家康が関ヶ原で勝利した直後で、19世紀初頭(亨保元年)あたりは伊能忠敬の全国測量半ばで、終末期の1868年が明治維新となる。つまり近世から近代ま でを一括りにして叙述す…

『藤原秀衡』入間田 宣夫 (ネルヴァ日本評伝選16/1) を読む

サブタイトル<義経を大将軍として国務せしむべし>。奥州藤原三代については、殆どしらなかった。その意味で本書は改めてそれを探る道標となつた。 そして本書を読んでも、まだ知られざる奥州の歴史が残されているように思える。今後とも類書を読んでみたい。…