『憲法に緊急事態条項は必要か』永井幸寿 (岩波ブックレット/16/3)を読む

 ヒトラーに学べと、本音を放言した麻生元総理。次なる企みは<憲法に緊急事態条項>。通常の憲法9条改悪が難しければ、違う手で憲法骨抜きを図る。

 よほど戦前の大日本帝国で儲けた祖先や親族がいるらしい。郷愁はなみなみならぬものがある。金儲けのためなら、憲法などクソ食らえの勢いで 突っ走ろうという算段とさえ見える。

 おまけにに右翼チンピラとしか思えないような<大臣>がゴロゴロ並んでいる政府の有様。恐るべき安倍右翼政権の姿をまたも見せてくれる。
 
▶編集者より

災害やテロ対策を理由として,国家緊急権,つまり,緊急事態条項を憲法に入れるために憲法を改正しようという動きが出ています.9条や96条の改正に比べると改正しやすい,国民の理解も得やすいのではないか,ということのようです.

緊急事態条項(国家緊急権)とは,非常事態の際に「人権」と「権力分立」を停止して権力を一カ所に集中させてしまうものです.これはどのよう なもので,歴史的にどのような形で使われ,他国の憲法ではどうなっているのか.また,日本国憲法は,特に規定を置いていませんが,その意味をどのように理 解すればよいのか.

いずれも,憲法の教科書にもあまり詳しく書かれておらず,充分な議論がなされているとは言えないものですが,本書は読めば,すべてわかります.

著者の永井幸寿氏は,阪神淡路大震災に遭遇したことを契機に,「災害と法」の研究をライフワークとしてきた弁護士です.被災地の現場も訪れ,丹念な聴き取り調査も行っています.第一人者による決定版です.


著者紹介 〈永井幸寿〉1955年生まれ。弁護士。関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員、NPO法人災害監護支援機構監事。共著に「Q&A震災と相続の法律相談」など。