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侵略肯定し思想弾圧評価 改憲に暴走加速する安倍首相の「懐刀」

 安倍内閣の極右内閣を象徴する言説が溢れているが、このようなものを大手メディアは避けてあたかも無かったようにスルーしている。それだけ安倍一派の言論抑圧が戦前並みになってきている、ということだろう。それにも関わらず、正常なコメントを発する人々もいるのだ。以下言説のバトル瞥見。

<秘密保護法成立を主導 北村氏論文>

「任期中に改憲を果たしたい」と暴走を加速させている安倍政権の高官、北村滋内閣情報官。同氏が高官の肩書で執筆した論文で力説したのがアジア・太 平洋での侵略戦争を肯定し、国民への思想弾圧を実行した特別高等警察特高警察)などの治安体制を評価し、その流れを引き継ぐ最悪の治安立法とされる秘密 保護法の必要性でした。同法の成立に辣腕(らつわん)をふるい、「安倍首相の懐刀」といわれる同氏の言動について、歴史学者(日本政治史)の纐纈(こうけ つ)厚山口大学名誉教授、警備・公安警察に詳しいジャーナリストの青木理氏に聞きました。


 

侵略戦争体制の復活にじむ 

山口大学名誉教授纐纈厚さん

 これは安倍首相の歴史認識、「戦後レジュームからの脱却」に通底するもので、そこには「大東亜戦争」=侵略戦争を“聖戦”と描く歴史修正主義、いわゆる靖国派の立場がある。日本の侵略戦争を「大東亜戦争」と偽る人物が政権中枢にいることを浮き彫りにしている。

 歴史修正主義者が政権を握り、中枢に居座るのは欧米にはなく、日本だけだ。

 「大東亜戦争」とあえて表記し、その遂行上治安維持法外事警察がどれほどの役割をもったかを述べるなど侵略戦争体制への反省はなく、むしろその 復活さえにじませている。戦後の連合国による内務省特高警察の解体に抵抗する内務官僚、警察官僚の言動を詳しく論じ、秘密保護法を強調する姿勢はまさに 戦前回帰への“告白”と受け取れる。

 

戦前・戦中への反省 完全欠如

ジャーナリスト青木理さん

 論文に貫くものは、「大東亜戦争」の言葉遣いなどに象徴されるとおり、戦前・戦中の治安体制があしきものだったという認識、反省の完全なる欠如だ。

 彼は現役の内閣情報官だが、通常これは警察官僚の“上がりポスト”。しかし、北村氏はなお警察官僚のエースと位置づけられていて、そうした人物がこれほど復古的な歴史観を持っていることに驚く。

 しかも論文は2014年より前に書かれているが、彼はここで「防諜(ぼうちょう)法規」の必要性を力説した。そして指摘通り、13年末に安倍政権が特定秘密保護法を強行成立させた。これは背後で北村氏が主導したものだ。

 そうした点で北村氏は“優秀なエリート警察官僚”かもしれないが、戦前・戦中の治安体制への反省はなく、戦後の民主主義体制が守ってきた矜持(きょうじ)への敬意も薄い。

 それは安倍首相の歴史認識とも通じ、改憲や集団的自衛権行使への“旗振り役”を担っており、国民はその危険性を十分注視すべきだろう。

(赤旗しんぶん2016/8/18)