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<そこが知りたい電力自由化: 自然エネルギーを選べるの?>高橋 真樹 (大月書店16/7)を読む 

 時期的にも極めてタイムリーな刊行。<電力自由化>について、無関心な一個人に対しても、適切に過不足無く現状を伝え、あるべき改善の方向を示す。<電力問題>に関する、国民的快著である。 
 
▶著者より
電力自由化が始まった4月前後から、「どこを選んだらお得か」、「どの会社にはどんなサービスがあるか」について比較する情報がたくさん出回っていますが、ぼくの本にはそうした情報は載っていません。

それよりも、「どこがお得か?」が注目されることで見えなくなってしまっている「何のために電力自由化をするのか?」「自然エネルギーは選べるようになるのか?」「結局何がどう変わるのか?」といったことに重点を置いて解説しています。

全国ご当地エネルギーリポートでも何度か紹介してきたように、電力自由化は制度の話なので、一般の方にはなじみのない用語がたくさん出てきます。それをできるだけわかりやすく伝えようとチャレンジしたのが本書です。

なぜ7月になって電力自由化の本なの?と思われる方もいるかもしれません。通常、こういう本は電力自由化が始まって世の中の話題になる4月に出すものです。

で も今回は国の制度設計の遅れや、ぼくがオススメしたい新電力会社の準備がまだ整っていなかったので、4月に出すのはやめようという判断をしました。遅れて もいいから、しっかりとした内容を伝えられるようなタイミングを見極めながら取材していたのです。それでこの時期になりました。

電力自由化が始まって3ヶ月間で、100万世帯超が電力会社を切り替えました。これは、今回選べるようになった世帯の割合からするとおよそ2%程度にあたります。

まだまだ様子をうかがっている方も多いのかもしれませんが、ぼくがオススメするような自然エネルギーを重視した新電力会社も、だいぶ選べるようになってきています。暑い夏を迎える今、この本を参考に電力会社切り替えについて真剣に検討してみてはどうでしょうか?

先日、参議院選が行われましたが、ぼくは電力自由化はそれと同じようなものだと考えています。今までエネルギーに関しては投票権が与えられていなかったのですが、ようやく複数の選択肢の中から選ぶことができるようになったのです。

も ちろん現段階では制度の問題などもあって、100点満点の候補者(電力会社)はないのですが、選挙と同じようによりましな方を選ぶことはできるはずです。 そうした企業が多くの人から支持されるようになれば、自分たちが選択したい未来に近づけることもできるかもしれません。

逆に「よくわから ない」「自分には関係ないよ」と思って切り替えに参加しなければ、今までの「東京電力」や「関西電力」などの大手電力会社に投票しているのと同じことに なってしまいます。そんな風に電力自由化は、それをきっかけに私たちとエネルギーの関係を問い直す機会にしていけるかもしれません。

◆各章の見出しと内容の一部

はじめに:この本には「どこがお得か」については書いていません
1章 電力自由化で何が変わる?

何がどう変わった?/自然エネルギーを選べる?/電力自由化のギモンに答える/どんなタイプの電力会社があるの?
2章 電力自由化ってなんだろう?
何のために自由化するの?/電気が流れてくる仕組みは?/電力の歴史をたどる/地域独占は何をもたらした?
3章 変わりはじめた電力システム
公益事業が民営化する流れ/「電力システム改革」が始まった/カギを握る発送電分離は?
4章 何が問題?日本の自由化
日本の改革の課題−どうすればいいの?/なぜ日本だけで石炭火力が増える?/欧州ではどうなっている?/送配電網を買い戻したドイツ市民
5章 これからの自然エネルギー原発
政府の自然エネルギー目標値は低い?/自然エネルギーはコスト高?不安定?というギモン/電力自由化原発はどうなる?
6章 地域の新電力・エネルギーは地方活性化の切り札?
地域ベースの新電力会社紹介(みやまスマートエネルギー、中之条電力、湘南電力など)/日本版「シュタットベルケ」は誕生するか?
7章 自然エネルギーにこだわる新電力会社
自然エネルギーの普及をめざす新電力会社紹介(みんな電力、Looop、パルシステム電力、生活クラブエナジーなど)/新電力会社に切り替える企業/デンキを選べば社会が変わる
8章 私たちにできることは?
電気の特徴を見極めて使う/ガマンしない省エネで快適に/送電網をみんなのものにする/いまこそ公益事業を問い直すとき
あとがき:エネルギーと民主主義