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<社説>オスプレイ飛行再開 欠陥機には許されない 2016/12/18/06:02<琉球新報

民間航空機事故では決してあり得ないことが、米軍機には許されていいはずがない。

 墜落事故を受けて飛行が停止されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを、19日にも米軍が飛行させる考えを日本政府に伝えた。
 今回の墜落で明らかになったのは、オスプレイが欠陥機であるということである。
 国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は、米軍が説明する「不時着」ではなく「墜落」と断定している。「ヘリモードで補給することができないという事実は、予期されなかった航空機の欠陥である」と述べ、オスプレイの新たな構造的欠陥であると指摘する。同じような墜落事故が再び発生するとも強調している。
 沖縄の上空で欠陥機の飛行を再開させれば、人命に関わる重大事故が起きかねない。飛行再開に強く抗議するとともに、沖縄からオスプレイの早配備撤回を求める。この欠陥機を運用する在沖米海兵隊の全面撤退、欠陥機が使用する辺野古新基地建設断念と北部訓練場に整備された六つのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の使用を禁止すべきだ。
 日本政府は情報提供と再発防止、安全が確認されるまでの飛行停止を米国に求めているが、それでは生ぬるい。米側に配備撤回を求めるべきである。
 これまでにも米軍は県内で発生した米軍機墜落事故で、2日から2週間の短期間に飛行を再開させている。2004年の沖国大米軍ヘリ墜落事故では、9日後に同型機が普天間飛行場を飛び立った。今年9月のハリアー墜落事故では、県民の飛行停止要求を無視し、墜落原因が明確でないのに約2週間で同型機の飛行を再開した。
 1972年の日本復帰後、県内での米軍機墜落事故は48件目だ。1年に1回以上落ちる計算になる。沖縄の空は安全・安心とは言い難い。米国や他府県で事故原因や再発防止策を示さないまま飛行再開が許されるだろうか。
 軍事優先で飛行を再開させるのは、県民の生命・財産を軽視する二重基準にほかならない。
 米軍は墜落したオスプレイの残骸を回収し、日本側の捜査協力申し入れを実質的に拒否した。事故の全容を独自に捜査できないのでは主権国家とはいえない。